玉音放送。
それは一言で言えば天皇が国民に向けて発するお告げだ。
ちなみに玉音放送には二種類ある。
明治天皇の玉音放送と昭和天皇の玉音放送だ。
今回はその両方の深田あり的訳を掲載する。
著・深田あり
本論は玉音放送とその訳の２種類づつ掲示する。
あれ？ 明治天皇のは『放送』じゃ、ないな。
以上。
早っ！！
１、明治天皇の玉音放送。『教育勅語』
朕惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇ムルコト宏遠ニ徳ヲ樹ツルコト深厚ナリ我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心を一ニシテ世々厥ノ美ヲ濟セルハ此レ我カ國體ノ精華ニシテ教育の淵源亦實ニ此ニ存ス爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ恭儉己レヲ持シ博愛衆ニ及ホシ學ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓發シ徳器ヲ成就シ進テ公益ヲ廣メ世務ヲ開キ常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵ヒ一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ是ノ如キハ獨リ朕カ忠良ノ臣民タルノミナラス又以テ爾祖先ノ遺風ヲ顯彰スルニ足ラン
斯ノ道ハ實ニ我カ皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ子孫臣民ノ倶ニ遵守スヘキ所之ヲ古今ニ通シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス朕爾臣民ト倶ニ拳々服膺シテ咸其徳ヲ一ニセンコトヲ庶幾フ
明治二十三年十月三十日
御名 御璽
２、教育勅語の訳
私は思うのだ。
私の祖先が『日本』という国を偉大なる理想のもとに創り上げたと信じている。
私に忠実なる国民たちは忠義を成し遂げ、孝行を成し遂げ、全ての国民たちは心を１つにして、今に至るまでのそれぞれの時代に偉大なる功績を成し遂げてきた。
これは私の国が優秀である証拠であり、教育の根源もまた、その優秀なる国民たちの心であると思われる。
私の愛しき国民たちよ、親孝行に励み、兄弟は仲良く助け合い、夫婦は寄り添い、友人は裏切らず、人を称え、自分は慎み、全ての人を愛し、勉学に励み、仕事に励み、それによって知能を高めて能力を引き出し、心を高めて徳を積み、社会の一翼を担い、常に憲法や法律を守り、もしも非常事態が訪れた時は忠義を立たせ、勇気を出し、国のために奉仕せよ。
何故なら、１人１人が私の愛すべき忠実なる国民たちの義務であるだけではなく、そうする事で今日まで日本を築き上げてきた祖先同様、日本の未来を築くものとなるからである。
このような道は、私の祖先が創り上げた教訓であり、私の子供である諸君等の守るべき事なのだ。
それを守る事は今も昔も決して変わる事の無い正義の道なのだ。
そしてその正義の道は、日本だけではなく外国においても正しき道だ。
無論私も忠実なる国民たちと同様、謹んでこの道を共に守り、歩み尽くす事を心から誓う。
明治２３年１０月３０日。
天皇の印鑑。
３、昭和天皇の玉音放送『終戦の詔勅』
朕深ク世界ノ大勢ト帝國ノ現状トニ鑑ミ 非常ノ措置ヲ以テ時局ヲ収拾セムト欲シ 茲ニ忠良ナル爾臣民ニ告ク 朕ハ帝國政府ヲシテ米英支蘇四國ニ對シ 其ノ共同宣言ヲ受諾スル旨通告セシメタリ 抑ゝ帝國臣民ノ康寧ヲ圖リ萬邦共榮ノ樂ヲ偕ニスルハ 皇祖皇宗ノ遺範ニシテ朕ノ拳々措カサル所曩ニ米英二國ニ宣戰セル所以モ 亦實ニ帝國ノ自存ト東亞ノ安定トヲ庶幾スルニ出テ他國ノ主権ヲ排シ 領土ヲ侵スカ如キハ固ヨリ朕カ志ニアラス 然ルニ交戰已ニ四歳ヲ閲シ 朕カ陸海將兵ノ勇戰 朕カ百僚有司ノ勵精 朕カ一億衆庶ノ奉公 各ゝ最善ヲ盡セルニ拘ラス戰局必スシモ好轉セス 世界ノ大勢亦我ニ利アラス 加之敵ハ新ニ殘虐ナル爆彈ヲ使用シテ 頻ニ無幸ヲ殺傷シ慘害ノ及フ所眞ニ測ルヘカラサルニ至ル 而モ尚交戰ヲ繼續セムカ終ニ我カ民族ノ滅亡ヲ招來スルノミナラス 延テ人類ノ文明ヲモ破却スヘシ 斯ノ如クムハ朕何ヲ以テカ億兆ノ赤子ヲ保シ皇祖皇宗ノ神靈ニ謝セムヤ 是レ朕カ帝國政府ヲシテ共同宣言ニ應セシムルニ至レル所以ナリ 朕ハ帝國ト共ニ終始東亞ノ解放ニ協力セル諸盟邦ニ對シ 遺憾ノ意ヲ表セサルヲ得ス 帝國臣民ニシテ戰陣ニ死シ職域ニ殉シ非命ニ斃レタル者及 其ノ遺族ニ想ヲ致セハ五内爲ニ裂ク 且戰傷ヲ負ヒ災禍ヲ蒙リ家業ヲ失ヒタル者ノ厚生ニ至リテハ 朕ノ深ク軫念スル所ナリ 惟フニ今後帝國ノ受クヘキ苦難ハ固ヨリ尋常ニアラス 爾臣民ノ衷情モ朕善ク之ヲ知ル 然レトモ朕ハ時運ノ趨ク所 堪ヘ難キヲ堪ヘ 忍ヒ難キヲ忍ヒ 以テ萬世ノ爲ニ太平ヲ開カムト欲ス 朕ハ茲ニ國體ヲ護持シ得テ忠良ナル爾臣民 赤誠ニ信倚シ常ニ爾臣民ト共ニ在リ 若シ夫レ情ノ激スル所濫ニ事端ヲ滋クシ或ハ同胞排擠互ニ時局ヲ亂リ 爲ニ大道ヲ誤リ信義ヲ世界ニ失フカ如キハ朕最モ之ヲ戒ム 宜シク擧國一家子孫相傳ヘ確ク神州ノ不滅ヲ信シ 任重クシテ道遠キヲ念ヒ總力ヲ將來ノ建設ニ傾ケ 道義ヲ篤クシ志操ヲ鞏クシ誓テ國體ノ精華ヲ發揚シ 世界ノ進運ニ後レサラムコトヲ期スヘシ 爾臣民其レ克ク朕カ意ヲ體セヨ
御名御璽
昭和二十年八月十四日
４、終戦の詔勅の訳
私は世界情勢と日本の現状について深く考え、非常手段をもって事態を収拾したいと思い、善良にして忠実なる我が国民に勧告する。
私はアメリカ、イギリス、中国、ソ連の４ヶ国に対し、ポツダム宣言を受諾する事を通告した。
もともと私に忠実なる国民たちの平和をはかり、世界と共に繁栄していく事を喜びとする考えは私の祖先が実現しようとしてきたことであり、私もそうなるように願ってきた。
先にアメリカとイギリスに宣戦を布告した理由も、日本の自立とアジアの平和を願ったものであり、断じて他国の主権を侵害したり、領土を侵犯したりするような事は私の意思ではない。
しかし戦争は４年にも及び、私の陸海軍が勇敢に戦い、官僚が職務に励み、私の１億人もの庶民の奉公がそれぞれ最善を尽くしてきたにも関わらず、戦局は好転する事はなかった。
また、世界情勢も日本にとって有利にならないばかりか、敵は新たに残虐な爆弾を使用し、罪の無い者を殺傷し、その被害は想像もつかない。
それでもまだ戦争を続行すれば最終的には日本民族の滅亡を招くだけではなく、人類の文明をも破滅させる事になるだろう。
もしそんな事になったら私はどうやって愛しき全ての国民たちを守り、先祖に謝罪する事ができるだろうか。
だからこそ私は政府にポツダム宣言を受諾させた。
私は日本と共にアジアの植民地解放に協力してくれた同盟国に対し遺憾の意を表せざるを得ない。
戦地で、職場で、また無益に殺された忠実なる国民たちと、その家族の事を思うとまさに身が引き裂かれるような思いだ。
さらに戦争で負傷し、被災し仕事を失った者の生活の事情は、私も心を痛めている。
これから日本に訪れる苦労は並大抵のものではないだろう。
忠実なる国民たちが戦争に勝ちたいという気持ちはよくわかる。
しかし、私は時の運に従い、耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び、世界平和に貢献したいと思う。
私はここに日本の国家体制を守り通し、善良で忠実な国民たちの真心を信頼し、常に国民と共にある。
もし感情的になって争いごとを起し、あるいは国民同士で内部分裂を起し、その結果歩むべき道を踏み外し、世界から信用を失うことは私の最も恐れることだ。
忠実なる国民たちよ、どうか団結し、子々孫々に語り継ぎ、神国日本の不滅を信じ、道は遠いが責任の重大さを自覚し、全ての力を将来の建設に傾け、道義を守り、意思を強くもち、日本の栄光を取り戻すために世界に遅れをとってはならない。
私の言う事を、慎み深く聞け。
天皇の印鑑。
昭和２０年８月１４日。
５、まえがき
さて以上が原文と現代語訳を書いたがこれでもまだ少し難しい気がする。
少なくともこれではタコにはわからないのではないだろうか？
と、いうわけで次こそがタコでもわかる深田あり的訳だ。
６、タコでもわかる教育勅語
僕は日本はすごい国だと思うんだよ。
だってみんなが立派な事をしてくれてきたんだもの。
その正体は心だと思うんだよね。
その心を具体的に説明するとね、１つは親孝行、２つは兄弟は仲良く、３つは夫婦も仲良く、４つは友達は信じあって、５つは自慢はしない事、６つはみんなを愛して、７つはお勉強して、８つは才能を伸ばして、９つはいい人になって、１０はみんなのためにお仕事して、１１は規則を守って、１２は勇気をもつことだよ。
そうする事で日本は発展するんだよ。嘘じゃないよ。
そしてその心は今も昔も、そして未来も、外国でだって通用する素晴らしい心なんだよ。
僕もちゃんと守るから、だからみんなも守ろうね。
７、タコでもわかる終戦の詔勅
僕は戦争を終らせるためにみんなに言うね。
アメリカとイギリスと中国とソ連の４つの国に降伏しちゃったの。
もともと僕はみんなの平和と発展を望んできたんだよ。
だから戦争したのもみんなの平和を守るためで、そのために周りの国をいじめちゃうなんて事はぼくの望みじゃない！
でも４年もみんな頑張ってくれたのにどんどん事態は悪くなっちゃった。
それどころか原爆で沢山の人が死んじゃったし･･･。
それでもまだ戦争なんかしてたら僕たちが死んじゃうだけじゃなくて、世界中のみんなが１人残らず死んじゃうんだよ。
そんなことになったら僕はご先祖様に謝っても許してもらえないよ。
だから降伏したんだよ。
でも僕たちに協力してくれた仲間にちょっと申し訳ないなあと･･･。
他にも戦場やお仕事、敵に殺された人たちの家族を思うと･･･胸が張り裂けそうだよ･･･。
他にも死んではいないけど大怪我して生活に困る人の事を考えると涙が止まらないよ。
みんなが戦争に勝ちたいってキモチはわかるの。
でもどんなに辛くても我慢して世界平和に貢献しようよ。
僕は絶対みんなを信じて裏切らないから。
もしみんなが喧嘩して世界中から嫌われでもしたら･･･僕は･･･僕は･･･。
どうかお願い、みんな団結して日本を復興させて。
僕のお願いをどうか聞いて！