
天荒紫一、否、リステオは現在人間椅子を敢行していた。
もう幾分たったか忘れてしまった。
ただ、手だけが痺れてきた。
「あの・・・アリット」
リステオは本来なら方筆美代子であるはずの女性に恐る恐る進言する。
「はい。何かな御主人様?」
アリットは子悪魔的な笑みを浮かべながら首だけリステオに向ける。
その双眸は全てを見通したかのように鋭い。
その双眸に、恐怖した。
「いいかげん疲れたんですけど・・・」
だから、言葉はどこまでも弱々しい。
アリットは笑う。
「あはっ、ダメだよ。まだ3分残ってるよ」
3分は長い。
かれこれ57分もこんな姿勢でいたのか俺は。
そんな望郷の念にかられる。
「だいたい何でこんな真似をしなくちゃならないのさ?」
「いいじゃないこれくらい。そもそも御主人様が悪いんだよ」
それを言われると立つ瀬はないが、一応反論してみる。
無駄だと思いつつも。
「いや、だからって・・・人間椅子1時間はないでしょう」
「ふ〜ん。じゃあ昨日御主人様はあたしに何したのかな〜?」
邪悪。
アリットの目に邪悪が宿る。
リステオは完全に萎縮された。
「・・・・・・ご、ごめんなさい。椅子してます」
「ははっ、そうそうがんばってね」