餓死繚乱


2005/2/24(Fri)■続・農耕民族

さて、今回は人類の歴史をわかりやすく説明します。
これで人間がいかに単純かつ馬鹿な生き物であるかがわかるでしょう。


昔々あるところに体毛が以上に薄い動物がいました。
それは、その後に人間と名づけられる動物です。
その人間たちは森の中や海岸、草原などに住み、薄い体毛のせいで冬困るため他の動物の毛皮を剥いで自分の体に装填させて寒さをしのいでいました。
彼らは雑食性で何でも食べますが、内臓が弱いためかちょっと毒性が強いものや、雑菌が入った食べ物を食べると死んでしまいます。
また、力も弱く、なかなか食べ物にありつけないまま動物の食い残しを食べ、何万年もすごしていました。
あるとき、彼らは発明という概念を手に入れました。
これによって今まで動物の死骸や木の実を食い漁る生活からおさらばし、まだ生きている動物をぶっ殺して新鮮かつ、大量な食料を手に入れることができるようになりました。よかったですね。

しかし彼らは少数ではなかなか生活できないので団結して生活するようになりましたが、可視聴域の狭い彼らでは中々コンビネーションをあわせた活動ができませんし、また、意思疎通さえ完璧とはいえません。脆弱ですね。

そんなとき、声帯の関係で言葉という概念を可能とした人間が誕生しました。
これによって彼らは完璧な意思疎通を可能とし、19種類いた人類の中で唯一の繁栄を約束されました。

さて、言葉も話せるようになり、それによって狩猟や種の保存の生産性が向上し、生活は数万年前に比べて格段によくなりました。
さらに発明の技術も上がり、冬暖かく、夏涼しく、食べ物を保存したり、娯楽の幅も広がり、彼らは絶大な繁栄を遂げたのです。
狩り取った獲物はみんなで分配し、木の実などをすりつぶし、肉や貝は干して冬に備え、常に共存共栄の精神を忘れず、殺しすぎると獲物がいなくなってしまうのでみんなで分かち合えるだけの食料を手に、数万年もの無限にも等しい究極の栄華を遂げていたのです。
このシステムを、原始共産制といいます。
地上最強のシステムです。

さて、森を切りくずと獲物がいなくなるので彼らは広場をテリトリーに獣道を歩み、罠を仕掛け、動物を殺し、魚を取り、野草を食べ、そんな生活を数万年つづけていたのですが…悲しいことに、この栄華は終焉を迎えることになりました。
それは、農耕という概念の誕生です。


農耕は、かつての狩猟生活を遥かに凌駕する安寧を提供してくれました。
平均寿命が27歳とまでいわれた狩猟民族を軽々と超越し、彼らは恐るべき悪魔の概念を手に入れたのです。
その悪魔の名は、贅沢。
そう、彼らは贅沢という概念を手に入れてしまったのです。


森を切り崩し、獲物など知らず、ただひたすら畑を、田んぼを耕してゆくだけで彼らは豊かな生活を手に入れました。
しかも、畑や田んぼは耕せば耕すだけ豊かになるのです。
この時代に環境問題などという概念は存在しないため、彼らはいつしかこう考えるようになりました。
「もっともっと豊かになるために、畑をもっともっと耕そうぜ♪」
そして、100ヘクタールが1000ヘクタールに、1000ヘクタールが1万ヘクタールに。
彼らはどんどんどんどん豊かになりました。
しかし、ここで2つの問題にぶつかりました。
まず1つ。
それは、畑を耕したのはいいけれど人手が足りない。
ということ。
これは、切実な問題でした。
そしてもう1つの問題。
畑を耕すために自然を滅茶苦茶にしていったため、獲物が逃げてしまい、別の狩猟民族が生活に困るようになったのです。
彼らは考えました。
この問題を解決するために。

そして、得たひとつの結論。
「だったら狩猟民族に畑を耕させようぜ♪」
画期的かつ残酷な結論でした。

彼ら農耕民族は狩猟民族を仲間にしようと誘います。
しかし、彼ら狩猟民族は
「俺達には俺達のやり方がある。出て行け」
と言って相手にもしてくれません。
でも農耕民族もこのままでは畑を耕す人材が乏しくて生活が豊かになりません。
と、いうわけで戦争です。

畑を耕すために沢山の効率的な道具を発明しまくった農耕民族と、微々たる進歩はあるものの、何万年も同じことしかやってない狩猟民族では相手にならず、あっという間に農耕民族が勝利しました。

そして。
「さあて、俺たちに逆らった罰だ。俺たちは遊んでるからお前ら耕してろ♪」
ここに、奴隷制度が誕生したのです。


彼らは贅沢に味をしめました。
そして次々と狩猟民族と奴隷にし、繁栄は数百キロ平方メートルにも及びました。
そして、次に目をつけたのが、同属です。

つまり、農耕民族。
「あいつらも畑を耕してる。と、いうことはあいつらの畑を奪えば俺たちはもっともっともっともっと豊かになるぜ♪」
と、いうわけで戦争です。
しかし同じ農耕民族同士、中々思い通りにいきません。
しかし、強いほうが何とか勝ち、畑と奴隷を大量にゲットできました。
彼らは思うようになりました。
「他の同属たちから畑を奪うために武器を作ろうぜ♪」
軍隊の誕生です。

しかし負けたほうも黙ってはいません。
「復讐だ!! 今度こそぶっ殺し、領土を取り返すぞ!!」
と、いうわけで戦争です。

そんなこんなで勝者は思うようになりました。
「二度と反乱させないように徹底的に殺そうぜ♪」
恐怖統治の始まりです。

そして、これが成功した場合、統一国家が誕生します。
そして、失敗すると、国家滅亡が起こるのです。


成功例で言えば、4大文明を発祥に、ローマ帝国、モンゴル帝国、古代日本などの世界中に点々と出没していきます。


しかしあるとき気づきました。
国をでかくしすぎると反乱が相次ぎ国が滅んでしまうのです。
たとえば、ローマ帝国にしろ、モンゴル帝国にしろ、古代中国にしろ、ソ連にしろ、でかすぎる国は例外なく滅亡しています。

そして学習するのです。
「国が沢山あるのは仕方ない。俺たちはこっからここまでで我慢してやるから、お前らはお前らでやってろ」
という発想の誕生です。
いわゆる、内政不干渉。


さて、国を滅亡させたくない一心で国家を守ることにした彼らですが、不満は募っていました。
「俺たちだって独立して国が欲しいぜワーオ!!」
「俺の国は港が凍って使い物にならないぜワーオ!!」
「資源が乏しいよう!! 隣の豊かな国がむかつくぜワーオ!!」
その他もろもろの問題が各地で発生していました。
しかし、あるときかつての狩猟民族にも等しい連中を見つけました。
それが、アフリカ、東南アジアなどの黒やら黄色やらの肌をした連中。
無論、世界最強オスマントルコなどの例外もありますが、基本的にこの色をした肌の人たちは弱かったのです。
そこで。
よみがえる。
「あったあああああ!! 俺たちのユートピア!!」
植民地の誕生です。

しかし困ったことに植民地が沢山手に入っても解決しない問題は沢山ありました。
「俺たち○○民族は独立したいんじゃ!!」
「港が凍って植民地があああ!!」
「てめえらこの海域は俺たちのだぞ!! 来るな!!」
仲はどんどん悪くなっていきました。

そして、血気盛んな国が
「ああ、もう我慢ならねえ! てめえらを力づくで黙らせてやる!!」
と、いうわけで戦争です。

しかし国が大きければ大きいほど相手国家の全てを滅ぼすことなどできず
「復讐ぅぅぅぅぅぅぅ!!」
敵対感情は高まる一方で、平和など頭の片隅にもありません。



そんな関係が形や場所こそ変われど5000年も地球上の隅々で発生するのです。
そして国家はよりシステム化し、武器はより非人道的に。
でも、やってることは何も変わっていないのです。

何が悪いか?
誰が悪いか?

戦争なんかしない世界は来ないの?
戦争はなんでするの?


そんなの、人類が畑を耕した瞬間からこうなる事は決定付けられた未来なのです。


かつて第一次世界大戦でドイツはこんな標語を作り、第二次世界大戦で日本パクりました。
贅沢は敵だ!

・・・・・・確かに贅沢は敵です。
と、いうか、人類最初にして最大の破綻者。その犯人は贅沢なのです。



最後のもう一度言います。
人類が畑を耕した瞬間、人類は悪魔を手に入れたのです。


2005/2/17(Fri)■農耕民族

まず、結論から言います。
狩猟民族と農耕民族では農耕民族の方が恐ろしいです。

基本的に狩猟民族は一見動物を殺しまくって暴虐的、残虐的だと思われがちですが、実際は動物を殺しまくると動物がいなくなって明日の食料に困るので、必要最低限しか殺さないんです。
いわゆる食物連鎖。
そのため動物と狩猟者は共存共栄を行い、絶滅させないレベルでしか殺しません。

一方農耕民族とは?
それは、階級制度です。
そして、彼らには強烈な絶滅思想があります。
それは食べられる植物とは仲良く共栄していくが、食べられない植物は耕作の邪魔だから絶滅させるという思想です。
基本的に農耕民族は土地を耕します。
つまり、土地を耕すのに邪魔な木や草は一本残らず切り捨ててしまうのです。
こんな生活を何百年も営んでいくと、民族意識もそうなります。
つまり、選民思想。
選ばれし民族のみが生き残り、邪魔な民族は殺すか、奴隷にするかという原始思想です。


基本的に世界中の王国は農耕国家です。
あたりまえですね。
だって、狩猟民族は国家を作る必要がないもの。
いわゆる、原始共産制です。
原始共産制国家は国家の必要がなく、絶大な繁栄を約束されます。
ただし、文明や発展などの近代的思想がないため停滞を続けるわけです。
わかりやすくいうと原始共産制だった縄文時代が5000年とも1万年とも続いているのに、弥生時代以降はほんの数千年しか繁栄していないのがその証拠。


国家を作るのは農耕民族が狩猟民族を殺し、奴隷にしたという土台の上に築かれた血まみれの栄華なのです。
事実国家を持った民族はヨーロッパにせよ、アジアにせよ、日本にせよ、全て狩猟民族を虐殺し、支配しています。
茫漠に戦争がおこる理由は前に戦争したからだと定義しましたが、そのもっとも根源はこれなのです。
それは、農耕民族は国家を運営するのに必要な人間のみを認め、邪魔な人間は排他するという、遺伝子。
それが連鎖した果てが現在の戦争と言えるでしょう。


共産主義は最悪です。
はっきりいって文明人が行う世界ではありません。
でも、自由主義が最高かというと、それは100%の賛同はできかねますが。


日本は蝦夷、熊襲、隼人、土蜘蛛、古志などの民族を皆殺しにして作られたという歴史があります。
それは否定する必要はありません。
統一国家は須らく周囲の国家を滅亡させているのですから。
日本は単一民族ではありません。多民族国家です。
ただ単に多民族だった時代が2000年近く昔の話だったというだけで、現存する多民族などそんなにありません。
沖縄とか、北海道あたりにしか。


農耕民族はキリスト教みたいなものです。
それは、自分にとって同族とは仲良くできるが、異端とは相容れないという点で全く同じなのですから。


人間がやたら仲間意識が強く、仲間はずれにされる事を恐怖するのはそういう背景があるのでしょう。


2005/2/4(Sut)■復活した慟哭

さて、こちらも久しぶりの慟哭更新。

と、言っても最近茫漠にお題出しすぎて思い浮かばないなあ。

じゃあ、今回の慟哭は深田ありの苦悩でも。


実は、もうすぐ黄色が・・・と自殺未遂〜Another tale north wind〜の書きかけだったデータが、パーっと消えちゃったんですね。
そりゃもう絶望絶望。

そして何度か書き直そうと試みるも・・・どうしても書けない。
意欲がわかない。
一行も書けない。
愚痴をこぼしたくもなる。
だってワードで7ページ、9ページまで書いたのが全部消えてしまったんだもの。
やる気なんか起こるわけねえじゃん。
もはや何て書いたのかさえ覚えてないし。
苦悩苦悩。

と、いうわけでちびちびと書き直さなければならないのでしばらく小説は更新できません。
まだ一行も書き直してないしね。



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