現在は放課後。
 実夜は1人バケツを抱えたまま立ち尽くしていた。
 すでに全員下校しており時折聞こえる生徒の声が必要以上に虚しさを醸し出していた。
 すると、担任がやってきた。
「戸梨、反省したか?」
「うう・・・こんなの前時代的だよお・・・」
 実夜は泣きべそをかきながらそんな事をぽつりと漏らす。
 担任はあさっての方向を見ながら言う。
「そもそもお前が着替えないのが悪いんだ」
「だってえ・・・帛郎と高幹が着ろって・・・」
「着ろっていったから着るのかお前は? だいたいブルマなんかどこで手に入れた?」
担任はどうしても疑問だった。
このご時世ブルマの学校などそうそうあるものではない。
当然この私立大安高校も例外ではなかった。
「え? そ、それは・・・」
「学校では学校指定の体操服を着ろ」
 そう諭すもしかし担任の目線はどこまでもブルマを向いていた。
 なんせブルマを見るなど学生時代以来ほんと何年ぶりだろうか。
 だからこそ、叱咤の声がどこまでも小さい。
 ちらちらとブルマを見つめながら、襲い掛かる衝動と立ち向かい、言い捨てた。
「もういいからバケツ片付けて帰れ」
「う、うん・・・」
 担任の眼は最後の最後までブルマに向けられていた。



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